研究実績&受賞歴

能登半島地震の火災被害を対象にAI建物判読技術の有効性と課題を検証―査読付き論文を日本写真測量学会誌に発表―

日本写真測量学会が発行する学術誌『写真測量とリモートセンシング』において、査読付き原著論文「能登半島地震におけるAIによる普通建物判読の適用と課題-火災被害市街地を対象としたケーススタディ-」を発表しました。

本研究では、令和6年能登半島地震において甚大な火災被害を受けた輪島市中心市街地を対象に、航空写真から生成したオルソ画像を用い、AIによる建物判読技術の適用可能性を検証しました。具体的には、国土地理院が公開する深層学習モデル(CNN)を活用し、被災直後の都市空間における建物分布の自動抽出を行い、その有効性と課題を分析しています。

その結果、学習データと整合する解像度(GSD約11cm)の画像では建物分布の把握が可能であり、焼失範囲との重ね合わせにより被害の空間的広がりを直感的に可視化できることが確認されました。一方で、より高解像度(GSD約2.3cm)の画像では建物全体を適切に捉えられず、誤判読が増加するなど、AI解析の精度が入力データの特性に強く依存することが明らかとなりました。

本研究は、災害初動期における迅速な被害把握に向けたAI活用の可能性を示すと同時に、実運用に向けた課題として、マルチスケール対応モデルの構築、継続的なデータ更新、クラウドによるリアルタイム共有基盤の重要性を提示しています。

株式会社テラ・ラボは、今後も航空機観測とAI解析を組み合わせた広域・高速な災害状況把握技術の高度化を進め、災害初動対応に資する情報共有基盤の社会実装に取り組んでまいります。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsprs/65/1/65_28/_article/-char/ja