災害情報&実証実験

【福島県沖地震 調査から1週間】共通状況図を作成 引き続き解析を進める

2022年3月16日(水)午後11時36分、福島県沖を震源とする最大震度6強の地震が発生しました。これに伴い、テラ・ラボは、特に被害の大きかった福島~宮城県を中心に、発生翌日から航空機やドローン、衛星を活用し、解析を続けています。

福島県沖地震(気象庁引用)

2022年3月16日午後11時36分ごろ、宮城県と福島県で最大震度6強(M7.3)の揺れを観測する地震がありました。宮城県と福島県の沿岸に津波注意報が一時発表されていましたが、翌日午前5時にすべて解除されました。

テラ・ラボ タイムライン

【福島県南相馬市の調査について】

1.3月17日:ドローンに広域災害調査を行い、動画を地図と連携

福島県沖地震 ドローンによる広域災害調査(南相馬市内)

17日に提供した共通状況図はこちら(ドローンによる広域災害調査 空撮動画エリア:南相馬市)

2.3月17日: 長距離飛行が可能な航空機を手配し、テララボ社員が搭乗して空撮(主に動画撮影)実施 

長距離飛行可能な航空機

15時 県営名古屋空港離陸~福島県上空へ移動

16時20分 東北新幹線が脱線した宮城県白石市の上空から被害現場を撮影

16時40分  福島県相馬市から南下、南相馬市→浪江町→双葉町→の順に撮影

16時50分  福島原発周辺を撮影

18時         県営名古屋空港着陸

3.3月17日:航空測量用の簡易オルソ画像作成のための写真撮影(469枚)実施

南相馬市の航空測量用で使用した航空機

 12時30分~1500  福島県南相馬市の上空から撮影  市内全体を往復しデータ収集(数百枚の写真を撮影)

〈福島県南相馬市の災害前後の比較〉

災害翌日から航空機で南相馬市全体を縦断・往復し、被災状況を把握するために撮影・記録を行いました。

 3月18日 解析を開始 南相馬市全体の地上解像度2mの ※オルソ画像 を作成

( ※オルソ画像:真上から見たような傾きのない、正しい大きさと位置に表示される画像)

地上分解能2mのオルソ画像

 3月19日 南相馬市全体の地上解像度20cm(前日の10倍の解像度)のオルソ画像を作成

地上分解能20cmのオルソ画像

また同日、このオルソをもとに ※共通状況図 を作成し、南相馬市役所へ提供し、クラウド上で一般公開しました。

公開した共通状況図

19日に提供した共通状況図はこちら(航空機による広域災害調査 オルソマップ:南相馬市

※共通状況図:災害発生直の道路、河川、住宅地図などと重ね合わせることで、被災前の状況と比較でき、被害全容の把握が可能になる地図。捜索や救助、初動の意思決定に役立つ。

新幹線脱線現場の調査について】

4.3月17日:衛星(ESA、 Sentinel)を活用した被災地域直前の地図作成

衛星(ESA、 Sentinel)によるオルソ画像の作成  (image credit ESA、 EADS Astrium]

テラ・ラボは、地震発生前と後の被災エリア全体の地図を宇宙空間から取得した比較検証を進めています。

特に新幹線脱線現場は、常磐道の大きな亀裂が入ったエリアでもあり、地形の隆起沈下が影響したことも視野に調査を続けています。 

5.3月19日:高精度カメラ・LiDARを搭載したドローンを使用したデータ収集

新幹線脱線現場を撮影した高精度ドローン

3月17日、航空機で脱線現場を特定後、翌日18日、ドローンによる地上調査班を宮城県白石市に派遣しました。

3月18日 上空から撮影
新幹線脱線現場付近の橋脚

LiDAR(離れた場所にある物体の形状や距離をレーザー光を使って測定するセンサー技術)搭載のドローンを使うことで、 3月19日には高密度点群データが収集した被害現場の3次元データを生成することができました。 

このデータを作成することにより、車両をはじめ、橋脚や線路、電線の状態など、離れた場所からでも複合的な点検ができるほか、二次災害リスクを予測できる可能性もあります。

また現在、衛星SARにより、脱線現場付近の土地の沈下、隆起の実測調査も同時に進めており、今回の地震と新幹線脱線事故との因果関係も調査しております。

新幹線脱線現場を捉えた航空機からの画像
ドローンの高精度カメラでとらえた画像
新幹線脱線現場をとらえたLiDAR①
新幹線脱線現場をとらえたLiDAR②

まとめ

今回、災害発生から数日間で地図(共通状況図)を作成し、被害状況の把握を可視化することができました。災害の規模が大きくなるほど状況把握に空白地帯ができる可能性もあるため、テラ・ラボは、有事のみならず平時から空域からの広域な情報収集を行い、災害前後の比較検証を迅速に行うとともに、いち早く各関係機関と連携して情報提供する体制づくりを強化してまいります。